かゆみ・がさがさとは

かゆみや肌の乾燥・がさがさは、かぶれや虫刺され、アトピー性皮膚炎、乾癬など数多くの原因が考えられます。
初めて受診される場合、以前とは別の症状で受診される場合は、発症した時期や期間、場所などと合わせて思い当たる原因もあれば診察の時にお話しください。
赤み、かゆみ、がさがさを示すものとして、皮膚筋炎やエリテマトーデス、シェーグレン症候群などの膠原病、糖尿病、肝臓や腎臓の病気、感染症、癌など様々な内科的疾患があります。
こうした重症疾患を見落とさないため、問診・診察をしっかり行うことはもちろん、血液検査や皮膚生検などを必要に応じて行います。
なかなか治らない皮疹があれば、お気軽にご相談ください。
主な疾患
かぶれ(接触性皮膚炎)
水虫(白癬)
地球上には様々な種類の真菌が存在しており、私たち人間と共存しています。
このなかには納豆菌や乳酸菌といった生活に役立つものもありますが、人間に病気を起こす真菌もいます。
水虫の原因になる白癬菌もその一つです。
この白癬菌が足の皮膚に棲み着いて増殖を始めると、私たちの体は白癬菌を追い出そうとして、激しい炎症を起こします。
この炎症が痒みのもとになります。
湿疹病変と間違えられて悪化していることも少なくありません。
しばらく経つと、白癬菌に対する炎症を起こさなくなり、慢性化することもあります。
このような状態になると治療が難しくなるので、速やかに検査を行い、正確に診断し、正しく外用することが重要です。
当院では、早期に治癒するよう、再発しないよう、薬を処方するだけではなく外用方法や日常のケアについて指導を行っています。
足水虫(足白癬)
足に水疱、赤み、皮めくれが生じます。
似た症状を呈するものに異汗性湿疹や掌蹠膿疱症などあり、きちんと検査をすることが重要です。
足の指の間の水虫は2カ月以上、水疱ができる水虫は3カ月以上、角化(がさがさ分厚くなった皮膚)ができる水虫は6カ月以上を目安に抗真菌薬を外用します。
体の水虫、いんきんたむし(体部白癬、股部白癬)
足水虫や爪水虫を長年放置していると体、手足、顔に感染が拡大することがあります。
また、ペットから感染することもあります。
湿疹病変と間違えられることがよくあるので、きちんと検査をすることが重要です。
頭水虫(頭部白癬)
主な症状は脱毛です。
初期は細菌感染症や脂漏性皮膚炎、湿疹などと鑑別が難しいため、ステロイド外用で悪化し、痛み、腫れ、膿などを生じてしまうことがあります。
検査を行って正しく診断し、早い段階で抗真菌薬の内服治療を行うことが重要です。
爪水虫(爪白癬)
虫刺され
蚊やブヨ、ノミ、ハチなどによる虫刺されは、日常的によく起こります。
蚊に刺されてかきこわすと、とびひになったり治りにくい痒疹になることがあるので、なるべく患部を刺激せず、塗り薬などの治療をおすすめします。
ブヨ(ブユ)
ブヨ(ブユ)は、ハイキングやアウトドアなどの季節に山間部に多く発生し、刺されている時の自覚症状が少なく、刺されてから半日~翌日以降に強い腫れとかゆみが生じます。
また、皮膚をかじって吸血した痕が、点状の出血や内出血として残ることがあります。
蚊による虫刺されの症状は通常数時間で治まりますが、ブヨによるかゆみや腫れの症状は時間とともに徐々に強くなるのが特徴で、赤いしこりが長く残ったり、色素沈着を起こしたりすることもあります。
手の甲やまぶたを刺された場合、手やまぶた全体が腫れあがるような強いアレルギー反応が出ることも珍しくありません。
ハチ
刺すハチとして代表的なものに、アシナガバチやスズメバチがあります。
庭木の手入れや農作業、林業、ハイキングなどの際に刺されることが多く、特に秋の野外活動での被害が多いので注意が必要です。
ミツバチに刺されるのは養蜂家の方々が多く、一般人が刺されることは稀です。
ハチに刺されると、まず激しい痛みが出現し、赤く腫れます。
これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まります。
しかし、2回目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わるため、刺された直後から蕁麻疹を生じたり、刺されて1~2日で強い赤みや腫れを生じたりします。
この反応には個人差が大きいですが、ひどい場合は刺されて30分~1時間で呼吸困難、腹痛、意識消失や血圧低下などを生じるアナフィラキシーショックに陥り、死に至ることがあります。
そのため当院では、ハチに頻繁に刺される職業の方や、ハチに刺されてショック症状を起こす可能性のある方に、緊急時に使用する「エピペン」というアドレナリン自己注射薬を処方しております。
乾癬
乾癬には幾つかの種類がありますが、最もよくみられるのは、銀白色の鱗屑(皮膚の粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出るタイプで尋常性乾癬といいます。
紅斑の大きさや数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。
できやすい部位は、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部や肘、膝、臀部、下腿などです。
かゆみに悩まされることもありますし、かゆみがほとんどみられないこともあります。
まれに、発疹が全身に及んだり(乾癬性紅皮症)、発疹のみならず、爪病変、関節炎が合併(乾癬性関節炎)したりすることもあります。
その他の病型として、小児や若年者に多く、風邪などの感染症(特に扁桃腺炎)が誘因となり小さな水滴状の乾癬皮疹ができる滴状乾癬や、発熱や発赤、膿疱が生じる膿疱性乾癬があります。
滴状乾癬は、きっかけとなった感染症を治療することで症状は治まりますが、まれに何度も再発を繰り返し、尋常性乾癬に移行することもあります。
膿疱性乾癬は、まれですが、全身に及ぶと入院が必要となる重症疾患で注意が必要です。
乾癬の検査・治療
検査としては、皮疹がある場所を麻酔して一部切り取り、顕微鏡で確認する病理組織検査を行う場合があります。
また、乾癬の患者様はメタボリック症候群を合併しやすいと考えられていますので血圧、コレステロールなどの脂質検査、糖尿病などの検査も生物学的行います。
なお、乾癬の治療にあたっては、患者様の病気の程度、置かれた状況に応じた治療法を選択することになります。
通常は外用薬から治療を始めますが、内服薬を使用することもあります。
さらに、光線療法も効果が認められています。
これらの治療法で十分な効果が得られない場合は、生物学的製剤による注射を行うこともあります。
特に、爪病変がある方や乾癬性関節炎、重症の汎発性膿疱性乾癬の場合、内服や、生物学的製剤による治療が重要となります。
生物学的製剤による治療中は、副作用に注意し予防するために、通常の血液検査に加え、胸の画像検査(X線検査など)、肝炎ウイルス 、結核などの検査も行います。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症は、膿が溜まった膿疱ができてしまう病気です。
手のひらや足の裏に多いですが、すねや膝、肘、頭などに症状があらわれることもあります。
爪が変形したり、骨や関節が痛んだりすることもあります。
骨と骨、骨と腱がくっつきあうところ(関節や付着部)や、骨そのものに炎症がおきて激しい痛みを伴う(掌蹠膿疱症性骨関節炎)ことがあります。
特徴的な部位として、胸骨と鎖骨、胸骨といちばん上の肋骨、上下の胸骨の結合部に起こることが多く、患者様によってはこうした関節症状が皮膚症状よりも先にあらわれます。
掌蹠膿疱症の症状・治療
初期の段階では小さな水ぶくれが生じるのですが、だんだんと膿疱へと変化していきます。
放置していると、慢性的に経過し、周期的に症状をぶり返します。
ステロイド軟膏やビタミンD3軟膏を用いることが多いのですが、これだけでは治療効果が乏しい場合は、紫外線療法を併用したり、やビタミンA誘導体の内服を短期間行うこともあります。
さらに難治な場合は、生物学的製剤による注射を行うこともあります。
生物学的製剤による治療中は、副作用に注意し予防するために、通常の血液検査に加え、胸の画像検査(X線検査など)、肝炎ウイルス 、結核などの検査も行います。
掌蹠膿疱症に関連する治療
また、扁桃炎や歯周炎などの治療、禁煙をすることで、症状が良くなることがあります。
掌蹠膿疱症は、扁桃炎や歯周炎などの感染症がきっかけで発症する例がみられます。
そのため、耳鼻咽喉科や歯科とも連携して治療を行うことがあります。
また、喫煙は注意すべき悪化因子であると考えられるため、禁煙することも大切です。
時に、歯の詰め物の金属を除去することで掌蹠膿疱症の症状が和らぐことがあります。
金属アレルギーの有無を調べる場合は、パッチテストを行って歯の詰め物に陽性となった金属が使われているかだけでなく、金属を含有する食べ物をとりすぎていないかなども含め、総合的に判断する必要があります。
風邪などの感染症の予防や、手のひら・足のうらの保湿も心がけましょう。
あせも(汗疹)
汗腺の導管で汗を出す「汗管」に汗の成分やホコリが詰まり、汗が皮膚内に溜まって炎症を起こすようになります。
暑い環境下で発汗が増えることが引き金となるため夏場に発症することが多く、また汗腺が未発達な乳幼児に頻繁に現れます。
あせもができると、かゆみを伴った赤みのある丘疹が現れます。
患者様によっては、透明な水疱が現れることもあります。
このような症状を予防するためには、汗をかいたらこまめにふき取る、こまめにシャワーを浴びて皮膚を清潔にする、保湿剤によって保湿することなど、薬剤だけではなく日常生活での注意が重要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アトピー体質の人に起こりやすい病気です。
とくに、皮膚の乾燥によって抵抗力が低下していたり、皮膚を引っ掻いたり、さまざまな刺激を受けたりすると、皮膚の状態が悪化しやすいです。
乾燥肌や掻きこわしをそのままにしておくと、さらにハウスダストやダニ、食べ物などに対するアレルギーが起こることがあります。
湿疹ができてしまったときは、「ステロイドの塗り薬」、「非ステロイドの塗り薬」、「飲み薬」、「紫外線治療」、「注射剤」などを、患者様の状態応じて使い分けます。
ステロイド治療
ステロイドに対しては、抵抗感をお持ちの方も少なくありませんが、ステロイドの外用はガイドラインでも推奨されているとても大切な治療です。
症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使用し、症状が軽くなったら薬を減らしたり、弱いものに変えたりするように「正しく」用いれば決してこわいものではなく、それどころかとても強い味方になります。
しかし、間違った使用方法を続けていると、症状はあまり改善しないばかりかステロイドによる副作用も懸念されます。
当院では、ステロイドの塗り方(塗る部位・回数・量など)をしっかり指導し、体の部位に分けて外用剤の種類を変えるなど、「最小の副作用で最大の効果を得られる」よう患者様お一人おひとりに合わせた治療を行います。
ステロイド以外の治療
また、ステロイドの外用だけではなく、最近注目されている「JAK阻害薬」や「PDE4阻害薬」といった非ステロイドの外用薬なども適切に取り入れていきます。
ステロイドの副作用を心配することなくかゆみを軽減し、皮疹の再燃しにくい肌にしてくれます。
また、患者様の肌の状態に応じて、「光線療法」を行うこともあります。
光線療法によって、皮疹・かゆみが軽減され、長年にわたって皮疹が続いたことでごわごわざらざらしてしまった皮膚も、柔らかくつるっとした肌へ回復させてくれます。
アトピーはその時の症状を改善させるだけでなく、継続的に健康な皮膚の状態を保つことが、色痕を残さず再燃させにくくするためにも非常に重要です。
症状に合わせて保湿薬などの複数の塗り薬を使用し、飲み薬を併用することもあります。
当院では、生物学的製剤の注射など、さらに進んだ治療も行っています。
生物学的製剤を定期的に注射することで、皮疹・かゆみを大幅に軽減させることができる画期的な薬剤です。
また、アレルギーの原因となるアレルゲンを特定することでアトピーを悪化させないよう日常生活で注意を払うことができるようになるため、アレルギー検査は有意義であると考えます。
そのため、患者様とご相談の上、必要に応じて血液検査や皮膚生検を行います。
花粉皮膚炎
花粉が飛散しているときは、皮膚に花粉が付着して炎症を起こしてしまうことがあります。
これに伴い、痒みに悩まされたり、お肌にブツブツの発疹ができて見た目の問題が生じたりします。
さらに、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒みなどにも悩まされます。
この病気は花粉が付着することが原因となるので、顔や首、手などに起こりやすいです。
病状が悪化すると、皮膚が茶色くなってしまい、弾力性を失うこともあります。
また、当院では、花粉症やダニアレルギーの治療にも力を入れています。
抗アレルギー薬の内服はもちろんのこと、「舌下免疫療法」とよばれるスギ花粉症やダニアレルギーの根治を目指す治療を行っています。
血液検査やイムノキャップによるアレルギー検査など各種アレルギー検査も実施しています。アレルゲンが何か知り、治療を行うことが重要ですので気になる方はご相談ください。
乾燥肌
皮脂や汗の分泌量が減少してくると、皮膚が異常に乾燥してしまいます。
このような状態のことを「乾燥肌」と言います。主な症状は、かゆみ、粉ふきです。
加齢に伴って下腿や大腿、わき腹、背中などに起こりやすくなります。特に、湿度が低下する冬に多くなります。
主な原因としては、皮脂欠乏により皮膚のバリア障害が起こり、皮膚表面から水分の喪失が多くなることが指摘されています。
治療においては、まず皮膚のバリア障害を回復させるためのスキンケアが重要です。
入浴後は、皮膚がまだ乾かないうちに保湿剤を万遍なく塗る必要があります。
乾燥肌を放置していると、赤みぶつぶつの湿疹が生じてかゆみが増悪し、かきむしることで悪循環に陥り、慢性化してしまうことがあります。
こうした事態を防ぐためにも、なるべく早く受診することをおすすめします。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、「乳児型」と「成人型」があり、乳児型の脂漏性皮膚炎は乳児の2~5%ほどに見られる一般的な疾患で、生後2~3週目から発症し、半年から10カ月ほどで治っていきます。
この時期はホルモンの影響もあって皮脂が過剰に分泌される傾向にあるため、脂漏性皮膚炎などの皮膚トラブルが起こりやすくなるのです。
成人型の脂漏性皮膚炎は思春期以降の成人に多く見られ、改善したり悪化したりを繰り返すことがよくあります。
特に男性に多く認められる疾患ですが、これは皮脂の分泌を過剰に働かせるアンドロゲンという男性ホルモンが影響しているからだと考えられています。
おでこや頭部、耳の周辺、股部、わきの下など、皮脂の分泌が盛んなところに脂っぽい細かい皮膚がポロポロとむけ落ちて粉をふいた状態になったり、患部が赤くなったりするケースもあります。
脂漏性皮膚炎の原因・治療
マラセチアというカビ(真菌)の一種が増殖することによる影響が特に大きいとされています。
マラセチアは皮膚の常在菌で多くの人の皮膚に存在していますが、皮脂量が多くなるとそれをエサにしてマラセチアが増殖しやすくなり、結果として脂漏性皮膚炎を引き起こすことがあります。
治療は、マラセチアの繁殖を抑えるための抗真菌外用薬を塗ることが中心となります。
また、炎症が強い場合は抗炎症作用のあるステロイド外用薬を使うこともあります。
日常生活の注意も重要です。
皮脂の汚れをためないよう、皮膚の清潔を保ちましょう。
低刺激性の石けんを使ったやさしい洗顔・入浴を行い、かいたり、タオルでごしごしとこすらないようにしましょう。
過度にストレスをためず、十分な睡眠を心がけ、偏食や暴飲暴食を改め、栄養バランスのとれた食生活にすることも大切です。
脂肪分の多い食事や香辛料の多用、アルコールの飲みすぎにも気をつけてください。
疥癬
ダニの一種でヒゼンダニとも呼ばれる疥癬虫が皮膚表面に棲みつくことで起こる病気です。
昔は、性行為などによって感染者と接触することで感染することが多かったですが、最近は高齢者施設、病院・療養施設での病気となり、流行の散発がみられます。
家族間では、感染者と寝具を共有するなどして感染します。
ダーモスコピー検査や顕微鏡検査でヒゼンダニをみつけます。
疥癬虫が寄生してもすぐに症状が現れるわけではなく、多くの場合、1~2ヵ月が経過した後に小さい発疹や水ぶくれができるようになります。
駆虫薬としてイベルメクチンを内服します。
かゆみが強いので、かゆみを抑えるクロタミトンなどの外用薬やかゆみ止めの内服を併用します。
なお、感染者と一緒に生活している方は、感染のリスクが高いため日常生活の注意が必要ですし、場合によっては一緒に治療をしなければならない場合も少なくありません。
気になる症状があれば早めに受診するようにしてください。
マラセチア毛包炎
皮膚に常在する真菌のひとつでもあるマラセチアが原因で引き起こされる皮膚の病気です。
気温が高い時期には、発汗や皮脂の過剰な分泌などが起こりやすいので、マラセチアが増殖しやすくなります。
若い世代に多くみられます。
胸背部を中心に、ニキビに非常によく似た赤いぷつぷつができるので「体ニキビ」ともよばれますが、一般的なニキビの原因菌とは違う菌によって引き起こされるため治療法も異なります。
長引くと色素沈着が悪化するので早めに治療することが重要です。
抗真菌薬の塗布で治療しますが、皮膚症状の範囲が広い場合や難治な場合は、抗真菌薬を内服することもあります。
癜風
通常は無害な皮膚の常在菌である癜風菌が、過剰に増殖することによって生じます。
特に高温多湿、皮膚に脂質が多い条件下で発症、悪化しやすいことが特徴で、思春期以降の汗かきの人に、夏に多くみられます。
体に境界がはっきりした白色から褐色の円形のシミのようなものができて、器具でこすると鱗屑という微細なフケのようなものが生じることが特徴です。
病気が進行すると、小さな斑同士が融合して大きくなることもあります。
また、癜風の斑は日光を浴びても日焼けしないという特徴があるため、周辺の皮膚が日焼けすると目立ちやすくなる場合があります。
痛みやかゆみなどの自覚症状はありません。
抗真菌薬の塗り薬を開始すると比較的早期に症状が軽快し、いったんは治癒しますが、皮膚の色がもとに戻るまでには治癒後数か月から数年程度かかる場合があります。
とびひ(伝染性膿痂疹)
掻きむしった手を介して、水ぶくれがあっという間に全身へと広がる様子が火事の火の粉が飛び火するのに似ているため、「とびひ」と呼ばれるようになりました。
皮膚への細菌感染によって発症し、人から人へとうつります。
とくにアトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が低下しているためとびひにかかりやすいので注意が必要です。
なお、とびひには、水ぶくれができる水疱性膿痂疹と、かさぶたができる痂皮性膿痂疹の2種類があります。
このうち水疱性膿痂疹は、皮膚にできた水ぶくれがだんだん膿をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。
痒みがあり、そこを掻いた手で体のほかの場所を触ると、症状が体のあちこちに広がってしまいます。
とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。
一方、痂皮性膿痂疹の場合は、皮膚の一部に膿をもった水ぶくれができ、厚いかさぶたになります。
炎症が強く、リンパ節が腫れたり、発熱やのどの痛みを伴ったりすることもあります。
主に抗菌薬を使って治療します。
必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、亜鉛華軟膏などを使用することもあります。
通常の抗菌薬では効かない耐性菌が原因のこともあるため、薬が効いているか、慎重に経過をみていく必要があります。
カンジダ
カンジダは、股部や陰部などの通気が悪く湿って擦れやすい部分に起こることが多いです。
たとえば、オムツを使用している方は股のところ、水仕事の多い方や飲食業関連の方は指と指の間、皮膚の重なる場所(胸の下や下腹部、指の間など)などに紅斑、びらん、膿疱、浸軟がみられ、主な症状は境界のあまりはっきりしないジクジクした紅斑です。
紅斑部やその周囲に小さい水ぶくれや膿が多数見られます。
痒みを伴うこともあれば、あまり痒みを感じないこともあります。
また、口腔カンジダ症では、舌や頬の口腔粘膜に白い苔のような白苔がつき、痛みや味覚障害などの症状があらわれることもあります。
歯磨きや義歯の手入れが不十分なご高齢の方や、内科的な病気に対してステロイドなどの免疫抑制剤を内服している方、糖尿病、HIV感染症の方などに多く、放置していると食道にもカンジダがうつったり、肺炎による深部真菌症を引き起こすことがあります。
カンジダ性の口唇炎や口角炎は若い方でも発症します。
カンジダに効果的な抗真菌薬の外用が基本治療で、広範囲に生じたときや難治の時は内服薬を用いることもあります。
蕁麻疹(じんましん)
シラミ
アタマジラミ
「アタマジラミ」は、体長が2~4mm程度で、髪や頭の接触で感染します。
幼児や小学校低学年児童など、頭をくっつけて遊ぶことが多い年齢での感染率が高くなっています。
また、お昼寝やお泊り保育の時なども注意が必要です。子供に添い寝する大人も感染に注意が必要です。
しっかりと髪に固着しているので指でつまんでもなかなかとれません。
卵は側頭部や後頭部、耳の後ろをよく観察すれば見つけられます。
灰白色の楕円形で、髪の毛に付着しています。
髪の毛に産み付けられた卵は7~10日程で孵化し、1~2週間で成虫になります。
成虫の生息期間はおよそ1ヵ月で、1日におよそ3~4個、1ヵ月で約100個も産卵し、爆発的に数が増えていくので、早期発見が重要です。
フェノトリンを含むパウダーやシャンプーで治療をします。
ただし、薬剤ですべての虫卵を必ず殺せるわけではありませんので、虫卵を物理的に取り除くことを推奨します。
目の細かい櫛を使って、髪の根元からていねいかつ徹底的に髪をとかします。
ケジラミ
「ケジラミ」は、体長が1~2㎜程度の非常に小さな吸血性の虫です。
陰毛などに寄生し、患部に強い痒みが起こります。
性的接触による陰股部、陰毛との直接接触による感染がよく見られますが、衣類や寝具などを介する間接的感染もあります。
フェノトリンを含むパウダーやシャンプーで治療をします。
さらに、寄生部位の剃毛を行うことでシラミを除去します。
なお、パートナーがいる場合は、一緒に治療を受けることが大切です。
コロモジラミ
「コロモジラミ」は卵が約0.5mmの白色で、衣類の縫い目などに粘着液でしっかりとへばりつき、約7日で孵化します。
ヒトには生息しません。
血を吸われてしばらくしてからかゆみが生じます。
対策としては、毎日入浴し、肌着も洗ったものに取り替えます。
衣類を熱湯に浸し、その後アイロンがけをします。
フェノトリンを含むパウダーやシャンプーを使用することもあります。
いずれのシラミも、帽子、枕、タオル類の共用はやめましょう。