アレルギー科とは

アレルギーのイメージ

アレルギー全般に関する疾患の診療を行います。
具体的には、蕁麻疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、花粉症などが対象です。
なお、こうした疾患を引き起こすアレルゲンは、動植物、食品、化粧品、金属、化学薬品、薬など、多岐にわたっています。
そのため、原因が特定できないケースも少なくありません。
主な症状についても、赤みを帯びた発疹、かゆみ、皮膚の色素沈着など、患者さまによって様々です。
当院では、こうした症状を見極め、検査し、最適な治療を行います。

主な疾患

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹は、突然皮膚の一部が赤く腫れて盛り上がる病気で、多くの場合、かゆみを伴います。
数時間から一日以内に症状が跡形もなく消えてしまうのが特徴で、どの年代でも発症し、日本人の10人に1人は生涯に一度は蕁麻疹を経験するといわれているほど身近な病気です。
蕁麻疹は「原因がわからないタイプ」と「原因がはっきりしているタイプ」の2つに大きく分けられます。
「原因がわからないタイプ」は「特発性蕁麻疹」といい約7割を占めます。

蕁麻疹の種類

「原因がわからないタイプ」は、細菌やウイルスなどの感染、疲労、食べ物、ストレスなどの原因が複雑にからみあって起こると考えられていますが、はっきりとした原因が分かりません。
原因が分からないと不安になりますが決して珍しいことではありません。
きちんと治療することで症状を改善することができます。諦めずに根気よく治療を続けることが大切です。

「原因がはっきりしているタイプ」は「刺激誘発型の蕁麻疹」といい、アレルギー(卵や小麦、エビ、カニなどの食物、薬剤、植物、昆虫など)や、汗、寒さ、水、圧迫、温熱、振動、こすれなどのさまざまな刺激が原因となります。

食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こるものをアレルギー性蕁麻疹、汗をかく刺激で起きるコリン性じんましん、機械的擦過や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激により起こるものを物理性蕁麻疹といいます。

まれに、唇やまぶたなどが突然腫れあがり、2~3日かかって消える、痒みを伴わない血管性浮腫があります。
稀に遺伝性のことがあり、血液検査が必要です。当院では血液検査によるアレルギー検査を実施していますので、ご相談ください。

アレルギー検査

蕁麻疹の治療

抗ヒスタミン薬内服が第一選択となります。
重症のケースでは免疫抑制薬やステロイドの内服薬を併用したり、点滴による治療を行うこともあります。

こうした治療でも改善しない難治な特発性蕁麻疹に対して、当院ではさらに進んだ「ゾレア(4週間毎注射)」や「デュピクセント(2週間毎注射)」という治療も行っています。
蕁麻疹の症状を引き起こすヒスタミンを放出しにくくさせることで蕁麻疹が起こるのを抑えます。
蕁麻疹がずっと治らないとお悩みの方も、お気軽にご相談ください。

かぶれ(接触性皮膚炎)

何らかの刺激物質や植物などの特定物質が皮膚に直接触れることが原因となり、炎症や湿疹などができている状態です。
このなかには、刺激性のかぶれと、アレルギー性のかぶれの2種類があります。
前者の場合は原因物質と接触した部位に限局して赤み、ぶつぶつ、水疱といった皮膚の炎症が出現します。
これに対し、アレルギー性のかぶれは、接触部位以外にも皮膚の炎症がみられます。

また、光線が関与する接触皮膚炎や、皮膚病変が接触範囲を超えて全身に出現する「全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群」もあります。

かぶれが見られたときは、まず詳しい問診を行なった上で、必要に応じて血液検査やパッチテストを行います。
原因と思われる物質を皮膚に貼り、反応を確かめる必要があるのです。
この検査によって原因となっている物質が明らかになれば、その物質が含まれるものに接しないようにします。
例えばゴムが原因ならば、ゴム製品との接触を止めます。
漆が原因のかぶれの場合は、漆に触れないようにします。
短期的にステロイド外用薬を塗布したり、痒みを抑えるために抗ヒスタミン薬などを使用することもあります。

花粉症

花粉がアレルゲンとなって発症する疾患です。
原因となる花粉としては、春先に飛散するスギやヒノキがよく知られていますが、シラカンバやハンノキも似た時期にピークを迎えます。
スギ花粉症の型の約20%がハンノキにも反応すると言われています。

初夏に飛散するカモガヤなどイネ科の植物、秋の季節に飛散するヨモギやブタクサが原因になることもあります。
主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の充血、目のかゆみ、流涙、目の中の異物感などです。

花粉症の患者様の増加に伴い、口腔アレルギー症候群を発症する方も増えています。
口腔アレルギー症候群とは、花粉症の原因となる花粉と関連するアレルゲンを含む特定の果物や野菜を食べた後に、口やのどにアレルギー反応を起こす食物アレルギーの一種です。

シラカンバやハンノキではモモ、リンゴ、サクランボで、スギはトマト、イネ科はトマト、スイカ、メロン、ヨモギやブタクサはメロン、スイカ、セロリなどで、口腔アレルギー症候群が生じることが多いです。
重症になると、全身の蕁麻疹、口周辺やまぶたの腫脹が出現したり、さらに血圧低下、呼吸困難、失神、腹痛や嘔吐などのアナフィラキシーが生じる可能性もあります。
アナフィラキシーの症状は短時間で進行して重篤な状態に陥り、命の危険を伴います。
当院では、アナフィラキシーを起こす可能性が高い方には、アドレナリンの自己注射製剤「エピペン®」を処方しています。

アレルゲンがなにであるか特定し、治療を進めることが重要です。当院では血液検査によるアレルギー検査を実施していますので、ご相談ください。

アレルギー検査

花粉症の治療

花粉症の治療として、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服薬を主に使用します。
鼻づまりの症状が強ければ、点鼻薬を使用します。
アレルギー性結膜炎による症状については、抗ヒスタミン薬や点眼薬を使用していきます。

また、当院では花粉症やダニアレルギーに対して「舌下免疫療法」とよばれる花粉症やダニアレルギーの根治を目指す治療を行っています。
定期的な通院、処方が必要ですが、舌下免疫療法に関してオンライン診療にも対応していますので、ご興味のある方はご相談ください。

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法、減感作療法)

アレルギーの治療法の一つに、その原因となる物質(アレルゲン、抗原)を体内に少しずつ取り入れて、体を徐々にアレルゲンに慣らしていって抗体をつくる「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」があります。
「舌下免疫療法」は、アレルゲンが配合された治療薬を「舌の下」にしばらく含んでから飲み込んで、毎日少しずつ免疫をつくっていくアレルゲン免疫療法の一種で、次の治療薬があります。

スギ花粉症(薬品名「シダキュア」)

適応 スギ花粉症があり、血液検査でスギアレルギーが陽性の方

スギ花粉飛散時期には開始できないため、6月から12月の間で開始する必要があります。

ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎(薬品名「ミティキュア」「アシテア」)

適応 ダニによるアレルギー性鼻炎があり、血液検査でダニアレルギーが陽性の方

開始時期に制限はありません。

スギの「舌下免疫療法」は、スギ花粉が飛散している時期に治療を開始することができず、スギ花粉の飛散が始まる3カ月以上前からの治療が効果的といわれています。
新規治療を行う場合は6~12月の間となるため、希望される方はご注意ください。

スギ、ダニ両方の治療を、時期をずらしてスタートさせることで並行して行うことも可能です(Dual舌下免疫療法)。
この場合には、第一に副作用頻度の少ないシダキュアより開始し、副作用もなくある程度落ち着いた状態になった後、ミティキュアを追加併用する方法をとります。
併用するまでの期間は個人差もあり、シダキュア開始1~6カ月後と言われています。

舌下免疫療法の「優れている点」と「注意すべき点」

優れている点
  • 臨床試験の結果では、およそ80%の方に効果がありました。
    うち、「著明に有効」40%、「ある程度有効」40%でした。
    そのため、対症療法である抗アレルギー薬の使用量の減少が期待できます。
  • 免疫をつくる治療法ですので、根治が期待できます
  • 舌下免疫療法終了後も数年間効果が持続する可能性が期待されています。
  • 新たなアレルゲンへの感作のリスクが減少します。
  • 喘息の発症を抑制する可能性があります。
注意すべき点
  • 治療は3年~5年(最低3年継続が必要)、毎日治療薬を飲み続けなくてはなりません。
  • 舌の下に薬を1分間保持したあと飲み込むことができなければなりません。
  • 4週間に1度、来院・受診が必要です(最初は用量の調整や副作用の確認のため、投与開始1週間後、2週間後に受診してください)。
  • 即効性はなく、効果が認められるまでに、半年以上はかかると言われています。効果判定は約2年で、2年経過しても、症状が持続する場合は、「無効」と判断します。
  • 効果があって終了した場合も、その後効果が減弱する可能性があります。
  • 臨床試験の結果では、およそ20%の方には効果がありませんでした。
  • アナフィラキシー等の重大な副作用が生じる可能性を否定できません(現在のところ、軽微な副作用のみ報告されています)。また万一に備え、万全の体制で初期の処置を行います。

舌下免疫療法を受けられない方、注意が必要な方

受けられない方
  • 重い気管支喘息の方
  • 悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気、感染症に罹患している方
  • ステロイドの内服や注射の投与をされている方
  • 5歳未満の方、65歳以上の方
  • 妊娠している方、妊娠の可能性がある方
  • 授乳中の方
注意が必要な方
  • アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
  • 気管支喘息の方
  • 抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
  • 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
  • 非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬<MAOIなど>を内服中の方
  • 対象以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方

服用時の注意点

  • 服用前、及び服用後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴を避けてください。また、服用後2時間以降にこれらを行う場合にもアナフィラキシー等の副作用の発現に注意する必要があります。アナフィラキシー等が発現した場合の対処等を考慮し、家族のいる場所や日中の服用が望ましいです。お子様の場合は、保護者等の管理下で服用してください。
  • 舌の下に置くとすぐ唾液で溶けてなくなりますが、すぐに飲み込まず、1分間保持してください。
  • 服用後5分間はうがいや飲食を控えてください。

休薬すべきとき

  • 喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいとき
  • 口内のかゆみなどの症状がひどいとき(特に服用開始後1カ月の初期に多い)
  • 抜歯後等の口内の術後または口内に傷や炎症があるとき
  • かぜや体調が悪いとき

服用の可否についてわからない時は医師にご相談ください(直接受診が難しい場合は、電話診療、オンライン診療をご利用ください)。
状態が回復したら、治療を再開できます。

  • 体調が悪いときに服用することで副作用発現のおそれがあります。特に急性感染症罹患時には喘息症状を発現するおそれがあるので注意が必要です。

副作用について

主な副作用

いずれも軽微な症状で、ほとんどが一時的なものですが、もしこのような症状が出て、おさまらない場合は受診が必要です。

  • 口内炎、舌や喉のかゆみ・不快感・腫れ、唇の腫れ
  • 耳のかゆみ
  • 頭痛

など

上記のような局所の副作用はシダキュアで30~40%、ミティキュア及びアシテアで60~70%と比較的多く、投与開始1カ月以内にみられ、特に最初の1週間に症状が出やすいです。ほとんどの症状は、1ヶ月経過すると自然に頻度・程度は軽減していきます。
そのため、抗ヒスタミン薬を舌下投与開始1週間前から、投与開始後1カ月まで内服していただきます。局所反応が発生した場合は、投与間隔を延長する場合があります。
局所反応が強い場合には、舌の下に1分間含んだ後、飲み込まずに薬を吐き出すことで副作用を軽減させる方法(吐き出し法)があります(効果は飲み込んだ場合と同程度と報告されています)。

重篤な副作用

舌下免疫療法は微量のアレルゲンから少しずつ免疫力をつけていくため、重篤な副作用は非常にまれです。しかしながら、アナフィラキシーなどが発生する可能性は否定できないとされており、いざというときに備え、3つのポイントを挙げます。

①もしもショック症状が出るならこんなとき
  • 薬を飲んだ直後から30分の間(投与後数分以内が多い)
  • 舌下免疫をはじめたばかりのときから、およそ1カ月の間
  • アレルギーの原因物質(スギ花粉、ダニ)が大量に飛散しているとき
  • 激しい運動、アルコール摂取、入浴などを行ったとき
②次のような場合(疑いがある場合)は、迷わずに救急車を呼んでください
  • 脈拍が速くなる(頻脈)
  • 脈拍が不規則になる(不整脈)
  • 気が遠くなる(血圧低下)
  • 意識が混濁する(神経症状)
③次のような症状は、ショック症状の前兆の可能性があります
  • 皮膚の症状
    じんま疹、掻痒感、紅斑、皮膚の発赤などの全身的な皮膚症状(医薬品の投与数分から通常は30分以内に、初発症状のことが多い)
  • 呼吸器の症状
    声がかれる、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼなど
  • 消化器の症状
    持続する胃痛、持続する嘔吐など
  • 循環器の症状
    頻脈、不整脈、血圧低下など
  • 眼の症状
    視覚異常、視野の狭窄など
  • 神経の症状
    不安、恐怖感、意識の混濁など

治療を検討している方は、必ず確認してください

  1. すべての患者さんに効果を示すわけではないこと
  2. 効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性があること
  3. アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあること
  4. 長期間の治療を継続できること
  5. 毎日継続できること(正しく内服できない場合、治療効果が認められないことがあります)

治療の流れ

以下はスギ花粉症(シダキュア)の場合です。ダニアレルギーの場合も、流れは同じです。

  1. 初回診察 通常の診察を受けていただき、治療が可能かどうかの確認をおこないます(問診・血液検査など)。
    あわせて、次回の診療日(アレルゲンの初回投与をおこなう日)を決めて予約をします
  2. 2回目診察 アレルゲンの初回投与 診察と詳細な説明、同意書の記入後、処方箋をお渡ししますので、薬局でお薬を受け取ってください。その後クリニックへお戻りいただき、医師監督のもとお薬を飲んでいただきます。投与の後は、約30分間、当院で経過をみます。
    受付から会計終了まで1時間30分ほどを予定しています。
  3. はじめの14日間(増量期) 薬は、1日1回、舌の下に1分間保持した後、飲み込みます。その後5分間はうがい、飲食をひかえてください。
    はじめの14日間(増量期)は、投与するアレルゲンの量を少しずつ増やしていき、体に慣れさせます。
    1~7日目は、アレルゲンの量が少ない薬を投与します。毎日、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ増やしていきます。
    8~14日目も1週目と同じように、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ体を慣れさせていきます。

    2回目診察(投与開始1週間後)

    投与開始 1週間後に受診いただき、副作用の確認を行います。

    3回目診察(投与開始2週間後)

    投与開始2週間後に再度受診いただき、治療継続可能と判断した場合、その後は1ヶ月に1度の診察となります。
  4. 15日目以降(維持期) 3週目からは、毎日同量の薬を投与し続けます。1日1回分を舌下に投与し、これを3~5年間継続します。

費用について

3割負担の場合
シダキュア
(スギ花粉の舌下免疫療法)5000
1ヶ月分 
約1,300円
ミティキュア
(ダニの舌下免疫療法)10000
1ヶ月分 
約1,800円

※アレルギー血液検査 約5,000円(3割負担)

参考資料

効果やリスク、具体的な治療イメージなど、ご自身でよく調べておくことを強くおすすめします。下記のサイトに、有効な情報がありますので、ぜひご覧ください。

鳥居薬品のアレルゲン免疫療法専門サイト

KUMI皮膚科クリニックにおける舌下免疫療法の特徴

治療を検討しているとき「インフォームド・コンセントの徹底」

治療の仕組みや方法、治療計画、治療成績、費用、副作用など、医師および医療スタッフが丁寧に説明し、十分な情報を提供することで、患者さんご自身が治療を行うかどうかを判断し、医師と患者さんの合意のもとに治療を行います。

治療を継続しているとき「時間予約やオンライン診療で無理なく」

長期間の治療となるため、患者さんが継続しやすいように診療の時間予約を確保しています。また、6ヶ月以上継続して治療している患者さんの場合、ご希望であれば自宅にいながら診療とお薬の処方ができるオンライン診療も準備しています。